世界最大の核廃棄物処理施設がワシントン州の南東部、コロンビアリバー沿にあります。50年以上前の老朽化で、放射性物質の川への漏れが心配されて久しいですが、連邦政府は隠蔽している可能性が噂されています。
ワシントン州のジェイ・インスリー知事が22日、エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュー長官と同省の上層部から、ワシントン州ハンフォード核施設にある放射性廃棄物保管タンク6個から放射性スラッジ(廃棄処理で生じた固形物と液体が混ざって泥状になったもの)が地中に漏れているとの説明を受けたと発表した。インスリー知事は、「漏れが見つかったのは、当初の報告のように1個だけでなく、6個であると、チュー長官から説明を受けた」と報告。また、「漏れの量はタンクそれぞれで異なる」「6個以上から漏れている可能性もある」と付け加え、ワシントン州東部の総面積560平方マイルの施設で第2時世界大戦のマンハッタン計画から保管されている放射性廃棄物を浄化するには、”新たな実行計画” が必要だと主張した。149個のタンクの “安定化” プログラムは2005年に完了し、放射性の液体は除去されたもののスラッジは残されたままで、マンハッタン計画と冷戦時代の核兵器製造に使われたプルトニウムの精製が45年間にわたり行われた結果、5,300万ガロンの放射性廃棄物が残された。長崎に落とされた原子爆弾のプルトニウムはこのハンフォードで製造されたものである。なお、同州知事は、「(チュー)長官は、これらの漏れによる公衆衛生への差し迫った脅威はないとことは確実と述べた」とも報告している。オバマ大統領が景気刺激策の一環としてこの施設の処理作業に10億ドルの補助金を提供したことで、放射性物質をガラスに変えて隔離する固化施設の建設が始められた。州政府は監視の強化と、放射性廃棄物を一重構造のタンクから二重構造のタンクに入れ替えるよう求めている。一重構造のタンクは1943-1944年に製造されたもので、現在も44万ガロンの放射性スラッジが保存されている。